毎年この季節になると決まって仲間内で交わされる「今日はどうだ?」「まだ駄目だ、今週中には間違いないと思うんだけど・・・」「○○あたりは抜けたらしいぞ」などと言う話し。
そう、シーバスに限らずソルトウォーターフィッシングをする方であればご存知の通り、バチが抜けたか抜けていないか(ゴカイやイソメなどが、産卵のために普段生息している砂泥層から抜け出て表層付近を漂う様子)の情報確認をしているやりとりです。

ここ横浜周辺には、住宅街に隣接した水路がいくつか点在していますが、この時期になるとその水路の各所でバチ抜けが発生します。当然、そのバチを狙いにシーバスが集まって来るため我々アングラーにとっては絶好のシチュエーションとなります。

今年もバチ抜けがみられたその水路では、例年通り「バシャンッ!ガボッ」という騒々しい音が響き渡りました。シーバスの捕食音とはっきり分る音から、ボラか?と思わせる音まで、いろいろな魚が集まっていることが瞬時に分ります。

さて、このような場所を狙うタックルに関しては、水路ということで運河や河川に比べ極端に川幅が狭いことから7ft前後のライトアクションのシーバスロッドをセレクトしています。住宅街ということもあり、水銀灯などが多く設置され小さな橋や様々なマンメイドストラクチャーがつくり出すシェイドを狙い打つため、取り回し易いレングスがおすすめです。

ルアーは、バチを意識してシンキングペンシルのスライドスイムミノーや、やわらかなアクションでこの時期に定評のあるZBLシステムミノー7Fをメインとします。
7Fなどのミノーの場合、上流の流心にキャスト。デットスローでプラグがスイミングを微かにするスピードにルアー速度を保ちます。また、水面にライン波紋を残さないようラインスラッグを取り、流心からシェイドの境目付近を流すように引いて来る。大抵の場合、明暗の境目付近でヒットとなります。

バチがいかにもシェイドに入り込んでくるようにプラグをOUT→INにスイムさせる。または、対岸のシェイドにプラグをタイトキャストし、リトリーブスピードは同様のデッドスローで流心に向かってのIN→OUTで食わせるようにします。
また、プラグを流れにまかせるデッドスティキングも効果的で時折ラインテンションをかけてスイムさせながら下流まで流し、ルアーが下がりきった時のターンに反応がでることも良くあります。

次に、川幅が広い運河や広大な干潟などではZBLスライドスイムミノー85が使い勝手の良いアイテムです。ZBLシリーズの中でもバチ抜け対策用プラグとして外せないアイテムなのですが、それはこのミノーが持つS字スライドアクションとサイレント性能に他なりません。特にこのような壁の隣接するポイントでは、ウエイト音が響き易く小場所なだけに魚をスレさせ易くなってしまいますから、ルアーの静粛性は釣るための重要な要素であると考えています。

使い方としては、ただ巻きでの蛇行アクションから、明暗の境目でトゥイッチングを入れて左右へ"スーッ スーッ"と力無い雰囲気でダートさせてやると好結果につながります。
私はこの誘い方で、シーバスのみならず黒鯛も獲っており、先日も自己記録更新となる53cmの黒鯛を手中に納めることができました。それもこんな身近な水路で出てしまったのですから驚きです。

水路のバチゲームということでシーバスはフッコクラスが中心となります。しかし、バチに誘われて時にランカークラスも交じり気が抜けない所でもあります。また繊細でゲーム性が高く"こんな場所で釣れた"という1尾の価値が高く感じられ、黒鯛が釣れた喜び、ボラが掛かったときのショックなどひと味違った面白さもあります。
皆さんもこの春、身近な水路や小さな港など日頃は攻めないような場所を散策されてみてはいかがでしょうか?


フィールドスタッフ 秋山 健太