「今年のシイラはでかいよ!」そんな声を聞いたアングラーも多いのではないでしょうか。事実、銚子沖、外房沖、相模湾、駿河湾の情報では例年より大型シイラのキャッチ率が高い様で、私も夏の青い海原へ熱いゲームに胸を馳せ西伊豆は仁科港の惣晴丸へ向かった。

午前5時、気の合うシイラ大好きアングラー達(正確にはルアーで狙える魚は全て狙ってしまおうと云う百戦錬磨のジャンキー)と共に佐藤和宏船長(通称和兄ィ)の操船で港を出港。
7月中旬にはキハダマグロ、カツオのボイルも頻繁に見られたが、最近は大型シイラの姿が目立って来たとの情報にビッグルアーをタックルボックスからチョイスする。今回は現在テストを重ねているザブラシステムミノー15HD‐Fをベースにウエイトをヘビーチューンしたプロトモデルを持ち込んだ。
仲間がセオリー通りのポッパーやペンシルベイトを選択したので、レンジをあまりにも外さない意味も込めて、先ずは自作のシンキングペンシルをキャスト。しかし、仲間が水面で激しく操っていたペンシルベイトに水面が割れファーストヒットとなった。続いて私のシンキングペンシルにもアタック。しかし、バイト直後にひたすら潜ったあげくフックアウトしてしまった。いきなりの強烈な引きに驚きながらも、気を取り直し再びキャスト。着水後、2アクションで続けてヒットとなった。が、見るからに大型であったその個体はドラグを散々唸らせたあげく水中に消えて行ってしまった。なんと今度はラインブレイク



事前に聞いてはいたものの、予想以上に大型が多い様子。16lbラインでの短時間勝負には無理が有ったようだ。朝一のプライムタイムも終わり、沖へ向けて海面の変化と魚影を追うが、あまりにも海が綺麗な事に目を奪われる程であった。
暫く進んだが、海面にはほとんど漂流物が見当たらない。更には潮色も非常に澄んでいて苦戦が予想された。しかし、このような状況下でスーパーウェポンとなるのが和兄ィの長年カジキの突きん棒漁をしてきた勘と人並み外れた双眼鏡的視力だ。(ちなみに仲間内ではブッシュマンの目と呼んでいる)もちろん、我々もミヨシに立って必死に変化と魚影を探すのだが、基本的に和兄ィとはポテンシャルが違う。やがてスロットルが全開になったと思うとナブラが見えて来たのだ。"さすがだ・・・"
しかし、朝一とは異なり照り付ける太陽光が澄み潮に直接差し込みタフな状況。そこで、前述した15HD‐Fをチョイス。前回アップのこのHP上で、同じフィールドスタッフの秋山氏もミノーによるシイラゲームに着目されていたが、私も状況により非常にミノーが有効と感じる経験を何度もしていた。
ロッドを20lbラインのヘビータックルに握り換え、ナブラの動向を観察しアプローチを考える。ナブラ打ちのセオリーは"外側を狙え"である。しかし、当日のナブラは足が速い上にすぐに沈んでしまうアングラー泣かせな状況の為、ナブラの進行方向を予測しやや前方から直交するトレースラインを取る。さらにはトゥイッチングでボディのフラッシュによってアピールさせる。
作戦は見事成功し、15HD‐Fの背後からグッドサイズのシイラが現れたかと思うと瞬時にルアーを咥えそのまま空中へロングジャンプ。バットパワーを利用したファイトで寄せたシイラは123cm



しかし15HD‐Fを使ったミノーゲームの真価はこの後さらに発揮された。澄み潮と動かない潮、そして更に太陽光線が強まった頃、シイラが完全にルアーを避ける傾向が現れ出したのだ。まさにこの状況がミノーのステージ。大きな群れがルアーをことごとく避ける中、悠々と泳ぐ130cmクラスを見つけ進行方向へキャスト。ボディ側面でギラッとフラッシュさせてやると、そいつの背中の色が瞬く間に真っ青に変わった。この時、惣晴丸との距離は約30m。魚が船影に気付きスイッチが切れる前にバイトに持ち込まなければならない。短期決戦にもちこむため、変則的で早めのトゥイッチを繰り返すと廻りこむようなバイト。必死にロッドを立てフックアップ。猛烈な速さでの走りにドラグが悲鳴を上げ、またもやロングジャンプ。その後、恐れていたダイブが始まった。魚影からオスの張り出した頭を確認したのだが、オスのシイラはひとたび深く潜行するとその魚体故、モロに平たい面が水を受けポンピングが非常に困難となる。大型シイラのラインブレイクの多くは、浮かせる間のテンションが掛かっている状態で急に走った瞬間に起こり易い。
シイラの動きと余力を伺い、同調しながらもパワフルなバットを使って柔軟にリフトアップ。幾度もの攻防を繰り返しやっと海中に黄色い魚体が見えて来た。やはりグッドサイズだ。
和兄ィと言葉を交わしランディングの息を合わせる。「よし!勝負!」の掛け声の次のシーンには、船上で雄叫びを上げる私が居た。134cm、非常に厚みの有るシイラに頭の中は"常夏オーバーヒート"。


ヒットカラーはホロイワシで、なんと強靭なフックの2本が変形していた。ワイヤースルーの15HD‐FにフックがST‐56で無ければキャッチ出来ない1尾であっただろう。
この日、私はこれらを含む120cm〜134cmまでのグッドサイズの5尾全てを15HD‐Fでキャッチする事が出来た。この事からも15HD‐Fがビッグシイラに対して優れたポテンシャルを持っている事がお解り頂けたかと思います。トゥイッチングやジャーキングを駆使して、シイラの反応を見ながら"仕掛けるスタイル"のミノーゲームは非常に面白いので、是非お試し下さい。ルアーは市販の15HD-Fをはじめ、ロッドワークへの追従性が良く、かつ水を上手く逃してくれるものを選んでください。ただ大きいというだけでは釣れません・・・。


今回使用したZBLシステムミノー15HD‐Fヘビーウエイトタイプは、開発中ですが、今後更にテストを繰り返し、より高いクオリティーで発売の予定です。
尚、昨年のシイラレポートでもご紹介した惣晴丸の船長の腕はモチロン、ルアーフィッシングに対しての理解も深く、何より人柄の良さで楽しいゲームを案内してくれます。私もルアー専門誌等で活躍されている菅原正志氏に紹介して頂いて以来、大ファンの遊漁船です。真剣に大型を狙いたい方、とにかく楽しく充実したゲームをしたい方にはオススメです。


フィールドスタッフ 浅川 和治

惣晴丸HP http://homepage2.nifty.com/souseimaru/sousei.htm



使用タックル

ヒットルアー ザブラシステムミノー15HD‐F(イワシ)
+カルティバ ST‐46 #2/0
+  〃   スプリットリングハイパーワイヤー #6
ザブラシステムミノー15HD‐Sプロトタイプ(ホロイワシ)
+カルティバ ST‐56 #2/0
+  〃   スプリットリングハイパーワイヤー #7
タックル1 ロッド:ufmウエダ ドルフィンスティック<ボロン>PPS‐70EH
(オールラウンド) リール:シマノ ステラ5000H
ライン:Gillライン20lb(ナイロン)+VARIVAS VEPショックリーダー40lb
    (ビミニツイストによるWラインに電車結び)
スナップ:カルティバ クロスロックスナップ1号(70lb)
タックル2 ロッド:ufmウエダ ドルフィントゥイッチャ‐<ボロン>PPS‐56MH‐T
(トゥイッチング重視) リール:シマノ ツインパワー5000PG
ライン:ダイワ ハイドロファイン20lb(新素材)
+VARIVAS VEPショックリーダー35lb(ラインシステム上記と同様)
スナップ:カルティバ クロスロックスナップ0号(70lb)