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アングラーなら銀色に輝くサクラマスを、手中に収めたいと思う方も多くおられることと思います。そして、その夢を現実のモノとするために解禁期間を幾度もフィールドへ足を運ぶアングラーも多いことでしょう。
かくいう私も、その美しい魚体、ゲームの楽しさを味わいたく、今シーズンより新潟県の荒川へ通い詰めたアングラーの一人となりました。
週末と祝日に、自宅から420キロ離れたフィールドを目指すドライブは、3月16日の解禁日から4月下旬となったこの日まで、実に12日目を数えようとしていました。これだけ短期間に通い詰めると、フィールドへ向かうというよりは、フィールドへ帰るという感覚に代わってきていました。
釣行にあてた2日間の日程のうち、1日目はサクラマスからのコンタクトもなく2日目を迎えていました。
1日目、2日目の午前中にかけて入ったエリアは人気ポイントということもあり、プレッシャーのかかり具合から判断し、2日目の午後はあまり着目されていないエリアを狙うべく、移動することを決めました。
しかし、狙いを定め移動したポイントもまた、先行者が攻めている最中でした。このため、無暗にルアーをキャストして魚をスレさせるよりは、ワンチャンスに賭けようと決めしばし休息し、午後3時過ぎの日が傾きかけた時間を狙うことにしました。程なく先行者も去り、ポイントは僅かながら休ませた状態となりつつあった。
"さぁ、そろそろ行くか"
予定時刻に川に立ち、早瀬と早瀬に挟まれた流れを刻むようにミノーをトレース。
主戦力として選択したリッジMD86SSを小刻みなトゥイッチとステディリトリーブを交互に試しながら攻め下ります。
やがて、水面にもっこりとしたライズが時折、視認できるようになりました。
そこで、フラッシングアピールのより強いリッジ90F(MNシルバーシャッド)にチェンジして、流れに強く逆らわせないようクロス気味のトゥイッチを試みること2キャスト目。明確なバイトと同時に下流へラインが走った。鋭角なフッキングに追いアワセも加え、慎重にファイトを行う。
流れに乗ってラインを引き出す魚をサクラマスと信じ、強引なファイトは禁物と自身に言い聞かせながら、ロッドの弾力を使って流芯から引き離す。普段、ソルトゲームで潮流には慣れているものの、川のそれとサクラマスのファイトは異質でありロッドを握る手がやや緊張していることを自覚できたのでした。
やっとの思いで引き離した魚体は、水面で首振りしながら魚体を露にした。
"やっぱりサクラマスだ"
途中までどこか半信半疑であったが、姿を見るなり嬉しさがこみ上げてきました。
幸いにもフロントフックが2本、カンヌキに刺さっているのが確認でき、ファイトする心にゆとりを生んだ。今シーズン1本目にキャッチしたサクラマスはリアフック1本ながら、短時間のファイトでランディングしたので、贅沢ながら今回のファイトは楽しみたかった。
しかし友人の「バラしてもいいぐらいの気持ちで、楽しんだ方がいいですよ」の言葉に、
"バラしてもいい!?そんな余裕はございません。"
そう答えながらも口元が緩みながらのファイトとなりました。しかし、手前の緩い深みでこのサクラマスは5回もの果敢な抵抗を見せたのです。そしてテールフックが下顎に刺さった直後、カンヌキのフロントフックが1本外れた。
経験上リアフックが外れるのは時間の問題で、残るフロント1本も運が悪ければ口切れを想像させます。更には下流の早瀬が視界の隅に近づいてきた。
勝負を決めなければ獲れないとの覚悟で寄せに移り、サクラマスの下流へ回り込みランディングネットを差し入れた。
ネットに横たわるライン傷の無い、美しい薄紫色に光る銀鱗を眺めるうちに、ファイトシーンが走馬灯のように甦った。そして和やかな表情に包まれた私はカンヌキに残った1本のフックを外した。
サクラマスの経験が少ない私が選択したルアーチェンジは、正しかったか定かではありません。しかし、自分の選択でリッジ90Fを選び、キャッチに繋がったことは嬉しい限りでした。
サクラマスに心でお礼を告げ、フィールドを後にしました。
フィールドスタッフ 浅川 和治
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