番外編 スライドスイムミノー85

北海道の河川で炸裂


シーバスをメインターゲットとして誕生したザブラ・スライドスイムミノー(以下 S.S.M.)。私も数年前からトラウトへこのジャンルのルアーを持ちこみ実戦で使用して来たため、本来ソルト用ルアーではあるがS.S.M.は非常に気になっていた。そして数週間前、ジップベイツに連絡を取って送って貰った数個のスライドスイムミノー。到着した時、アイ周辺の形状を見て"これは!"と思った。そして早速フィールドに持ちこみ使用してみると、予想通りの好感触と確証が得られた。その時の様子をお伝えしたい。


この日は、朝マヅメを狙い暗いうちから出発。水量の少なさが気がかりとなっており、状況が悪ければ別河川へ移動することを視野に入れて入渓した。このためポイントは、状況を素早く把握するため渇水状態の時でも、魚が着くことができると思われる所に的を絞った。



ルアーは、期待のS.S.M.。キャストし、ルアーの動きを確かめるとアクションは予想以上に良い。しかし、魚からの反応は渋くチェイスすら見えない状態が続いた。
入渓して30分が過ぎた頃であっただろうか、河川に沈んでいる倒木の際に投げたルアーにようやく魚影を発見。最初はアップで攻めていたが、食いきれない様子であったことから、そのポイントよりも少し上流側へ周りこみ、アプローチをクロスに変える。すると、ようやくヒット。50cmクラスのアメマスであった。
その後も、同じようなシチュエーションのポイントを丹念に探り、2時間ほどで2ケタを達成できた。釣果にはイトウも混じったが、型は今ひとつ。入渓点付近は、魚の着き具合がイマイチと感じ、同河川の10キロくらい上流へ大きくポイントを移動することにした。

ポイントに到着すると先行者は見られず、魚がそれなりに入っていれば、浅場の見えるところにも出てきていると想定し、観察しながら上流へ向かった。しかし1キロほど上流までは、意に反しそれほど魚が入っておらず、苦戦を強いられた。それならばと、さらに500メートルほど上流に上がり障害物の多い渇水状態に強いポイントを攻めてみることに。ポイントの下流に立ち、アップストリームで攻めて着水後20センチほどカウントダウン。アクションを開始し追尾する魚影を確認後、食わせるために魚との間合いを詰めながら誘いをかける。タイミングを図り、下げていたロッドティップを煽ってアクションをかけた瞬間、水面が炸裂しS.S.M.が引ったくられた。ジャンプしてトラグを鳴らしてファイトしたのは50cmオーバーのアメマス。体型も良く、パワーも有り、かなり引き応えがあった。

そして同ポイントで、もう一本魚影が見えたため、今度はダウンクロスで丁寧に攻める。着水後、同じく20cmほどカウントダウン。ラインテンションを保ちつつ、流れだけでユラユラとアクションさせ、ナチュラルドリフトに近い状態で漂わせて見る。このような使用法は、シンキングペンシルの得意とするところであるが、ボディバランスが計算されていないと直線的な動きとなりトラウトは直ぐに見きってしまう。そんなシーンでもS.S.M.は、見事に"漂って"見せてくれた。
間も無く、対岸のブッシュの下から、同じクラスのアメマスが躍り出てヒット。これも元気が良く、かなりのファイトが堪能できた。

その後、日が高くなっても食いが落ちることはなく、同じポイントから同じメソッドで何本か出しつづけつつ遡行。サイズはアベレージで50cmクラスであったが、魚のルアーに対するスレ方が、他のものに比べてかなり遅いということが、私がこのルアーを利用する目的のひとつとなっている。
現に、渇水状態にあるにもかかわらず、同じポイントから魚を何本も引きずりだせたのは、まさにその証明と言えよう。このような渇水状況の時には、魚は特定のポイントに溜り易くそこを見つけることができれば、数本のキャッチはそう難しくは無いものである。しかし、魚がかたまっているだけに、見きられずらいアプローチとルアー選択を心得ていないと魚影の割にはキャッチできた本数は少なかったなぁ・・・という結果に終わることもしばしばなのである。

今回のS.S.M.、当地では山でも海でも、これ一本でゲームが成り立つと言っても良いくらい遊べるルアーだと言えます。河川でも、また止水でも非常に使えるルアーに仕上がっています。マグドライブ内蔵の為、飛距離も問題無く、また、やや体高を持たせたデザインからアピール度も高くなっている。そして、リーリング時のアピール度だけでなく、フォール時のアピールも非常に高く作り込まれている。
以前から、他社製ペンシルベイトをフローティング、シンキング、時にはチューンしてサスペンドと色々と試していたが、ある1方向(例えばアップでのトレース)では使えても、クロス、ダウンでは全く使い勝手が悪い、もしくは使えないというものが多かったというのが正直な感想であった。このため、ひとつの性能に特化したペンシルベイトを数本持ち合わせ、ローテーションすることによってカバーしてきた訳であるが、S.S.M.の登場によってその必要もなくなりそうである。

 
トラウトにペンシルベイトというと、耳にしてはいるが未だ違和感があるという方が多いかもしれません。しかし、これはトラウトにも本当に効くアイテムです。信じて使い切ることで、今までは釣れていなかった活性状態のトラウトをヒットに導けることでしょう。
当地では海、そして淡水のトラウトに使用できますが、本州ではシーバスはもちろん、ライトタックルでのトラウト狙い、また、来期のサクラマスにも相当使えるものであると思います。 

私自身、本格的な発売が待ち遠しく是非とも皆さんにお使い頂きたいルアーです。

フィールドスタッフ 後藤 全宏