季節の釣り 「サケ稚魚パターンに関して」

春、雪解けが終わりに差し掛かる頃、秋に遡上したサケの稚魚が一斉に降海を始める。これがいわゆる「サケ稚魚」と呼ばれる魚だ。時期としては地方ごとに若干異なるが、私の住むオホーツク海方面では、5月上旬〜6月上旬に掛けてがその最盛期といえる。彼らは、川から海に下っていくわけであるが、体を慣らすためにある程度の期間、汽水域といわれる河口付近にて長旅の準備をする。河川内のアメマスやニジマスなどのマス類は、それらを狙って河口域に移動する。我々アングラーも、それを狙って釣行をするわけだ。

サケ稚魚パターンとしてルアーをセレクトするには、まず第一に「シルエット」が重要だ。本物のサケの稚魚をご覧になったことがある方なら解っていただけると思うが、上方から見ても横から見ても体の面積に対して目が非常に大きく、細くひょろ長いというのがサケ稚魚のシルエットである。そのため、これをイメージできるルアーを選ぶことが釣果へ繋がる。


次ぎに挙げられる点としてはそのルアーの「泳層」である。サケ稚魚はそれほど潜らない。観察していると解るが、ごく浅い水深の場所(10cmから50cm程度、深くても1m)を泳いでいくのが多く見られる。つまり、それほど水深のある場所をルアーで通してくる必要性が無いのだ。加えてルアー選択の際には、色というよりも「反射」の要素を重視している。私は、よく言われるようなリアルタイプが重要だとは思っておらず、それよりも、本物のサケ稚魚が逃げ惑う際に見られる「キラッキラッ」感をどの程度具現化できているかの方が重要であると思う。これらの点を踏まえ、私が愛用しているのがリッジ56Fや70F、そしてこれから発売となるS-Lineシリーズだ。リッジは、上述した鮭稚魚パターンの時の誘いができるミノーとして、市販されているルアーの中においてその性能が抜きん出ているといえる。また、状況に応じてオルビット65スライダーを使用する。これは、サスペンド+ダートアクション設計のため、リッジとは違った誘いができ、攻略の手数が広がるのである。
さて、具体的にリッジやオルビット65スライダーを使用してのサケ稚魚演出法であるが、細かいトゥィッチングで逃げ惑うサケ稚魚を演出する方法が最も簡単で実績がある方法だ。ただ、リッジに限っては「ほっとけ」もなかなか侮れない。リッジは、蝦夷青やワカサギカラーに見られるように、意図的に背面を半透明にしており、自然光がボディの中に入りこんでくるように作られている。この光は、ボディ内で乱反射し、シルエットを際立たせ、「ほっとけ」のようなメソッドを使う際に非常に有効なのだ。また、オルビット65スライダーはサスペンド設定のため、水中で流れにドリフトさせながらの「ほっとけ」ができる。このメソッドは信じこまないとやり通すことができない勇気のいるメソッドではあるが、ライズや逃げ惑うサケ稚魚を見つけられれば、ほぼ100%釣れる釣り方である。ぜひ、挑戦してみて欲しい。
タックルだが、ロッドは穂先が柔らかいものがお勧めだ。サケ稚魚を捕食している魚のバイトは強烈で、あわせは向こうあわせになることが多い。硬い竿では、はじく事があるので、なるべくなら柔らかめの竿を使用したほうが、確実にフッキングに持ち込める。もちろん、リールもドラグがしっかりしている物が良い。ラインは、ナイロンラインで6〜8ポンドを用意すれば十分であろう。トラウトフィッシングに限ってはトータルバランスが特に求められる。リールとロッドの重量バランスなど、特に見直していただきたい。

フィールドスタッフ 引地 俊介