WON BASS U.S.OPEN参戦記
VOL.4(完結編)
 
最終日!なのに・・・

最終日。疲れきった身体に活を入れロビーを通り抜け駐車場に出て見ると、雨が降っていました。さらに追い討ちをかけるかの様に稲光。コンディションは最悪でした。
一般的に,曇天や雨と言う要素はプラスに働くケースが多いのですが、レイク・ミードではこの法則が通用しないらしい事を、現地でお世話になった菅原氏の情報やプラクティスから学んでいました。なぜなら、この湖は砂漠の中にあって、1年の内、ほとんど雨が降ることが無く曇りや雨に見舞われると,途端にバスの活性が下がってしまい釣りづらくなるのです。

 会場に着く頃には,雨はだいぶ小雨になっていましたが激しい稲光は続いており,大会の開催自体が心配になるほどでした。パートナーとの待ち合わせ場所で待つこと数分「Good Morning Jun!」びっくりするような、大声で陽気なアメリカ人が声を掛けてきた。今日のパートナーの(アレン・ブラットン)だった。彼は、私を気遣いすぐに車の助手席にいざなってくれました。しかも驚いたのは、今日だけのパートナーである私のために車のシートに綺麗に大きめのタオルが敷いてあり、「濡れていても大丈夫だから、気軽にして!」と微笑んでいたのでした。更に、わざわざ暖かいコーヒーまで煎れてくれた時には「紳士的で、なんて素晴らしい人」と、パートナーに恵まれた喜びをひとりで噛みしめていたのでした。と、ここまでは良かったのですが、次ぎの瞬間「今日のフライト順知っているか?」と聞かれた時には、「自分のフライト順知らないの?」と少々減滅してしまいました。私が第1フライトの4番と教えると,慌てて車をボートスロープの方向に進み、準備を始める。楽しい人だなと思ったのでした。

コンディションは悪化し、さらに雷鳴が轟くという状況となり,スタートが30分繰り下げられました。また、 最終日は9月11日、1年前にあの同時多発テロが起った日。大会でもスタートの時、国歌斉唱の後、黙祷が捧げられた。

最終日のスタート。気合を入れてスタートすると、アレンがいきなりハンドルを右にきった。「今日のゲームプランは?」と彼に質問すると、すぐ近くに良いクリークがあるので朝の内はトップをやり、それからキャロライナで深場を攻めると答えが返ってきました。

クリークに着き、フェイキードッグをキャストしていると「へルプ・ミイー」「ヘルプ・ミイー」と岸辺の方から声が聞こえる。アレンと2人で辺りを見渡すと、両手を高だかと上げ助けを求めている女性が居る。話しを聞くと、車がスタックして携帯も壊れたので助けてほしいと言っている。アレンはすぐに携帯で本部に連絡して、レスキューを呼んだ。時間は取られてしまったが、女性は助かり安堵するも肝心のポイントを女性が走り周ってしまった為に沈黙してしまった。

その後、1時間ほどキャロ・ライナで流したのですが、バイトを得られず、プラの段階で好調のパターンを話し岬への移動を提案。移動することになったものの、次に着いたポイントはフーバーダムのダムサイトだった。「ナゼ?」と思ったがとにかく釣り再開。
切り立った岩が幾つもの小さなクリークを創りだしているポイント。リザーバーへ良く釣りに行く私には絶好のエリアに思えました。ダムサイドとあって水深もかなり深くブレイクに絡む岩にジグヘッドやドロップ・ショットを乗せては落とす釣りに徹していきました。
しかし夜明けまでの雨で、日差しが弱くシェードのパターンがまだ確立していませんでした。アレンは、バックシートで岩の隙間にフリップしている私のキャストを見て、「エレキを代わってくれないか。」と・・・。 
自分のペースでエレキを流しながら見える岩にキャストしていると、ひとつのパターンを見つけることが出来た。それは、"クリーク奥の小さなガレ場"にスピナーベイト・ハマーをキャストした時にキーパーがバイトした事がきっかけで分かった。付近をクルーズしているバスが捕食場?として回遊コースにしていて入れ替わりでバスが入ってくるであろう、という事でした。
その後も同じような場所でハマーやジャパン・スタイルのドロップショットで何匹もバスを釣るがキーパーサイズにほんの少し届かないサイズばかり。私自身はとても焦っていました。ひとつでも順位を上げたかったからです。しかしパートナーのアレンは、とても楽しそうに私がバスを釣る度にストレージからドーナッツを取り出してきて「ラッキー・ドーナッツ!」と言いながら楽しそうにひとつづつ私に手渡してくる。ひどい時などは、口の中に3つのドーナッツが入っている時もあった。と思えば、彼からロッドを手渡されジュンと同じリグを作ってくれ!と言う始末。
日本から持ってきた「MZ−19のタングステンシンカーやフック」を説明しながらリグを作り「ワーム」もセットして彼に戻す。するとアレンは、1投目からバスをかけていた。ノンキーパーだったが、嬉しかったのでしょう顔がくしゃくしゃになるぐらいの満面の笑みだった。
結局、そのまま、タイム・アウトとなり12匹のバスをキャッチするものの、2匹だけのオン・キーパーでウエイン。3.02ポンドで最終日を終えてしまった。
最終的に、139人中68位という成績でフィニッシュ。正直なところとても、悔しかった。前日までの好パターンが最終日後半から通用し始めただけに、少々強引にでも自分のパターンを試して見たかったからです。しかし、これがペアの大会の難しさである事も学べました。楽しいが悔しい気持ちが一杯で、来年こそはボーターで参加したくなったのでした。

最後に。
憧れだった本場アメリカでのトーナメントが現実となり、プラクティスを入れて4日間とても良い経験ができました。
プラクティスで同船した憧れのジョン・マーレー氏。アメリカンスタイルのボート操船と、バスの探し方、クランキングテクニック。
大会初日のパートナーレイモンドのフィネステクニック。2日目のパートナー、ロブのジャーキングや正確にポイントを居抜くフリッピングテクニック。など
どれも新鮮で、自分のスタイルを見つめ直す良い機会になりました。この旅で出会った全ての人に感謝するとともに、私のこの参戦記にお付き合い頂いた皆様にもお礼を申し上げます。私の参戦記を通し、アメリカのバスフィッシング雰囲気が伝わり、皆様の釣りのお役に立てれば嬉しく思います。お付き合い頂きましてありがとうございました。


JBトップマスター 野本 淳

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