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■ZBLシステムミノー11Fの開発サポートを通じて
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ザブラシステムミノーの11センチの開発を始めるから、忌憚の無い意見を欲しいと言われたのが、今から1年以上前の事。
プラッキングゲームの大好きな僕としては、非常に気持ちが入ったのは言うまでもありません。なぜなら、今まで自分自身が叩き出しているレコードフィッシュは、すべてこのクラスのミノーだからです。メーターシーバスからアカメ、オオニベ、そしてヒラスズキまで。 ただし、ここ数年のシーバスゲームの活況と共に、各ルアーメーカーがこぞって優れたこのサイズのミノーを出して来ていた為、難関である事は容易に想像できた。市場に出回っている新製品には、使用範囲を細分化した「対シャロー用」であったり、「対飛距離追及」であったり、あらゆるコンセプトのものが既に存在していたためです。
そこで僕は、兼ねてから思っていた、「基本性能が極めて優れているもの!」と、ジップベイツにリクエストをした訳です。メーカー側からしたら嫌だったと思います。外観を細くするとか、リップを変えるとかのデザインの変更だけでは無く、基本的な部分をトータルで洗い直して欲しいと言ったのですから。しかし意外にもジップベイツから出てきた言葉は、「やっぱりね。友草さんらしいよ。」というニュアンスで、肩スカシを喰らってしまいました。
こんなやりとりから、始まったわけですが、具体的なテスト品が「何のコメントも無く・・・」送られてきたのは意外にも早かったため驚いたのを覚えています。外観は、今風とは思えないミディアムスリムのボディ。そして3本フック。さらに、内部には予想通り※「アンチ・ニュートン」が仕込まれていました。
早速、フィールドでキャストしてみたのですが、余り「魅力を感じなかった!」というのが初めての感想です。なぜなら、ローリングがとてもきつくどこにでもあるミノーっぽかったからです。フックも最近流行の3本タイプだが、私はヒラやオオニベにも使える強靭なタイプが装着できる2本タイプが良いと思っていた。こうなると、※アンチ・ニュートンも本当に必要かな?とまで思ってしまっていた。
早速フィールドから携帯TELでジップへ。ちょっと言葉を選んで「苦情!」を入れる。と「やっぱり・・・ネ。」またまた肩スカシ。この!肩スカシ上手と思いながらもこれはこれでタフった時に使えると思い、1軍BOXの中へ収納!真面目な話し、僕が欲しかったのは10cmを超えるミノーであっても、適度にウォブリングが出てアピールさせる事が出来るタイプでした。作る側から言わせると、ミノーも10cmを超えてくるとさすがに水の抵抗が大きくなってくるために、テールを横に振り切る程の強さが無く、結果的にロールアクション系になってしまうんだと・・・。そんな事はどうでも良い僕は、作り手の都合よりも釣り人の都合を優先し、格好よく「ダメだし」を決めたのです。
するとジップは、大胆にもフックを3本から2本にあっさり?変更。「こんな事ありか!」なんて思いつつ今回も何のコメントも無くルアーだけ「使ってみて」と言わんばかりに入っている。サンプリングに時間がかかったのはこの為か。
早速フィールドへ。使って見ると、今度は結構良い!。フック1本でこんなに違うかな?と感心。早速フィールドから携帯TELでジップへ。実際はすこし興奮気味だったけれど、少し冷静に。「あー、テスト品使ってみましたけど結構良いですね〜エ。」 するとジップは、「ケッコウですか!かなりの力作なんですけども!!」と、今度は「がぶり寄り」できた。僕もその雰囲気に負け、「いやいや、かなり良いです。」と、思っていた通りの言葉に訂正。聞けば、ウォブリングを出すために水の抵抗となるものをできるだけ排除したとの事。分かり易く説得力のある言葉。加えて、ややリップ調整。フックも、強度面や、緩衝音を出来るだけ無くしたかったから一石二鳥。後から聞いた話しですが、このサイズのプラスチック製ルアーには、結果的にフックがバランスを取っているものも多いとか。ジップは※アンチ・ニュートンを使っているからその必要は無いのだと・・・。針無しでも泳ぐバランスの良さです!って。
次ぎの課題は飛距離=※アンチ・ニュートンでした。
※アンチ・ニュ―トンは、我々「サーフマン」にとって、飛距離+安定感+静粛性という意味で理想的なシステムである事は間違いなかったのですが、その磁力の強さが災いして飛行姿勢が不安定になる事もありました。この手のタイプでは、強いトゥイッチやジャークを加える事は少ないから、「もう少し磁力を弱くして!」と非常に曖昧で感覚的なお願いを入れる。ところが、この言葉がジップにしたら結構難題だった?ようで、次のテスト品がくるまで首を長くして待つ事となってしまった訳です。
いよいよ磁力の調整サンプルがきて、テストの時。
僕の曖昧&感覚的な指示が功を奏したのか、前回のテスト品と比べて微妙かつ絶妙にセッティングされている。やればできるじゃんと思いつつ、早速フィールドから携帯TELでジップへ。
「かなりイイッすね!」と、今回は素直かつ端的に言ってみる。「じゃあ、それで行きましょう!そろそろ販売しないと・・・」と現実的なお返事。冷静に考えると、販売予定日をとっくに過ぎていました。
聞けば、相当のパターンをテストしていたらしい。磁石も素材を変え、中も変更しているとか・・・? さすがにこの部分の詳しい内容は、教えて貰えませんでした。
僕が携わらせて頂いた「ZBLシステムミノー11F」には、ざっとこんなことがあった難産?な子でした。皆さんも是非、このルアーの完成度の高さを体感して下さい。すべての点において、完成度の高いベーシックな11cmシーバスミノーと言えます。
また僕自身このやりとりを通して、ルアーを見る目が変わりました。ZBLはもちろん、他のルアーでも、今まで以上に開発背景を考え使用するようになったという事です。どうすれば、自分のフィールドで個々のルアーの特性を引き出す事ができるか?という事を。やはり最終的にはルアーフィッシングにおいての主役は、魚であり、我々アングラーなのです。忘れてはならないのは、個人の経験、力量が遺憾なく発揮される厳しくも楽しいスポーツであるという事です。
友草 清一
※「アンチ・ニュートン」は、2002年9月より「マグドライブ」に名称変更致しました。